OMEGAの歴史

更新日:2017.06.17

OMEGA(オメガΩ)といえば、スイスの高級時計メーカーです。
スピードマスターやシーマスターといったスポーツウォッチが有名ですが、
コンステレーションやデ・ヴィルなどのドレスウォッチも人気なんです。
今回はそのオメガの歴史についてスポットを当ててみました。

150年以上の歴史!?

創業は1848年
ルイ・ブランが23歳の時に、スイスのラ・ショー・ド・フォンにて時計工房を始めました。
彼の工房は当初、文字盤やケース、ムーブメントなどを専門工場から仕入れ、組み立てだけを専門に行う『エタブリスール』でした。
『エタブリスール』とは、部品やムーブメントの製造は得意メーカーに頼った方が効率が良いという分業体制で、価格を抑えた製品づくりが可能でした。
当時の時計産業は、手作り工房から徐々に工業へと発展する段階で、世界的にも時計の消費が増加する傾向にありました。
『エタブリスール』の対極の言葉に『マニュファクチュール』がありますが、『マニュファクチュール』は自社一貫生産という意味で、厳密には時計のケースやムーブメントはもちろん、ネジ一本に至るまで自社で製造することを意味します。
実際には外装デザインだけでなく、ムーブメントも自社で製造しているという意味でよく使われます。
彼はこの工房で鍵巻き式懐中時計などを制作し、早くから販路を海外へと求め、国外進出に意欲的だったそうです。今日のオメガの世界的展開における、先見の明があったのかもしれません。

やがて、彼の時計工房は息子たちへと受け継がれ、マニュファクチュールへと変貌を遂げ、20世紀の到来を待たずして、世界で最も大きな時計製造メーカーへと成長します。

軍用時計の開発

20世紀に入ると、時代は懐中時計から腕時計へと変化し始めます。
ボーア戦争の時に初めて戦場で使用されたという腕時計ですが、やがて第一次世界大戦を契機に本格的に普及し始めました。
この頃に作られたモデルは懐中時計を小さくしただけの防水性も耐震性も皆無の時計でした。
1939年にイギリス政府からの依頼でスチール製防水時計の注文があり、この時に誕生したのがスクリューバック・ケースの防水タイプの軍用時計でした。これが戦後、シーマスターへと発展していきます。

これと並行して開発されたのが、30mmキャリバーと呼ばれる高性能のムーブメントでした。
1940年、市販品として初めてクロノメーターの精度を持つ『オメガ・クロノメーター』が登場しました。このキャリバーは1960年代末まで生産され、シーマスターにも搭載されました。

シーマスターの誕生

第二次世界大戦が終わると、世界は復興へと活動し始めました。
中立国であったスイスの時計産業は大きな打撃を受けることなく戦後を迎え、オメガも1943年に自動巻きムーブメントの開発に成功していました。
1948年、創業100周年を迎えたオメガは、イギリス軍用モデルをベースにした、自動巻き防水腕時計を開発。『シーマスター』と名付けられました。
同時に自動巻きクロノメーター『センテナリー』が登場し、1952年にはセンテナリーに搭載されたキャリバーをベースにした、自動巻きクロノメーター『コンステレーション』が誕生しました。
1957年には、27クロノグラフをベースにした『スピードマスター』が発表されました。

クォーツ時計の襲来

1960年代の末には、機械式時計の性能は限界まで到達していました。
より高い精度と半永久的に維持する機構として電気を動力源に開発が進められていました。
ハミルトンは1957年に電磁石でテンプを振動させる方式を発明。
ブローバは音叉を時間制御に用いた『アキュトロン』を開発しました。
すでにクォーツを用いた時計は実用化されていましたが、腕時計サイズの開発に成功したのがセイコーでした。
1969年12月に発売された『クォーツアストロン』は世界初の市販クォーツ腕時計でした。
オメガが1968年に発売した『ダイナミック』は斬新なスタイルで人気となり、大ヒットします。
さらにクォーツ時計が実用化されると、低価格化が進み、高精度な腕時計が誰でも手に入る時代がやってきます。と同時にコストのかかる機械式時計の終焉を意味することとなりました。

近年のオメガについては、また改めて発表したいと思います。

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